第156回直木賞受賞作品は恩田陸「蜜蜂と遠雷」!!
第156回直木賞が1月19日(木)に決定しました!
恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎)1944円(税込)です。
恩田さんはこれまでも何度もノミネートしている「夜のピクニック」や「中庭の出来事」「きのうの世界」などで幅広く人気の実力派作家ですが、ついにこの度直木賞作家となりました!!
本当におめでとうございます!!
「―彼を本物の『ギフト』とするか、それとも『災厄』にしてしまうのかは、皆さん、いや、我々にかかっている。ユウジ=フォン・ホフマン」
舞台は芳ケ江国際ピアノコンクール。そこに集まった顔ぶれは実に個性豊かだった。ジュリアード音楽院の学生で優勝候補と云われ見目も実力も評価の高い19歳の青年:マサル・C・レヴィ=アナトール。かつて天才少女と呼ばれCDデビューも果たしたが、公私ともに支えてくれた母の死をきっかけにピアノ界から遠ざかっていた20歳の栄伝亜夜。楽器店に勤め妻子もいる今回年齢制限ギリギリの28歳・高島明石。そしてそれぞれに深く関わる周囲の人々。そんな中、異色の少年が人々の注目を集めていた。15歳の風間塵は、養蜂を仕事とする親と移動生活をしているためピアノも持っておらず、正規のピアノ教育を受けたわけでもない。ただ、彼にピアノを教えた人物は、審査員達が複雑な感情を抱くほどにピアノ界で今なお存在感を残している亡きホフマン氏だった。その彼が劇薬と評する風間塵は、一体どのようなピアニストなのか―コンクールの幕が、開ける。
500頁超二段組のボリュームにも関わらず、ひとたび本を開けば彼らの思いと音楽に絡め捕られ、止められなくなること間違いありません。読後感も気持ちの良い、直木賞納得の大傑作です!!